agreeable 第56号(令和2年10月号)
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安全性データに関する説明・急性毒性9agreeable No.56 October 2020/10for Economc Co-operation and Deveopment:OECD)等によ(Acute Oral toxicityDermal toxicitynhaation toxicity死量(LD50:50%Lethal と呼びます。吸入毒性などで、薬剤を気体とした場合は、半数致死濃度(LC50:50%Lethal ・28日間反復経口毒性比較的、短期間(通常1ヶ月〜3ヶ月程度)の連続又は反復投与によって生じる毒性のことで、亜急性毒性、もしくは亜慢性毒性ともいいます。は、動物に被験物質を一定期間毎日反復投与したときに現れる生体の機能および形態の変化を観察します。具体的には、ラット等の実験動物に被験物質の3用量(投与量を変えたもの)を口投与し、一般状態の変化、体重推移、摂餌量を観察します。さらに、投与終了時に解剖し、血液および病理検査を行い、被験物質の動物に対する影響を評価します。これにより、被験物質の毒性の種類や程度を明らかにするとともに、毒性変化が発現しない量(無毒性量)を求めます。が安全かつ適切であることを保証するものとなっています。GLPは医薬品以外にも、医療機器や化学物質、農薬、動物用医薬品、飼料添加物にも適用され、それぞれを所管する省令で目的に応じてGLP適用試験の種類が定められています。化学物質の安全性試験は、動物や微生物などの生き物を対象として、その影響を試験します。この為、飼育条件や環境、試験方法により結果が左右されることも多くなり、症状観察のように、試験観察者の判断や、経験に依存する部分も評価の根幹となります。また、経済の国際化に伴い、農薬や医薬品に関連する安全性試験が各国で求められます。ある国で実施された安全性試験の結果が他国で使えないとなっては、時間、経済的に不便ですし、実験動物を無駄に使用する事にもなります。このような点から、試験施設に一定基準を設けるGLPと、経済協力開発機構(Organisation り国際的に統一された試験方法のガイドラインを設けることで、安全性試験の結果を均一化し、相互に利用できるようになっています。薬剤を実際に散布される作業者や、施主様にご説明する際にこれらの内容について把握しておく事は大切かと思いますので、すこし退屈かもしれませんが、安全性に関する内容についてご説明します。     li  Il 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇   -..  薬剤の誤飲等により直接大量に摂取した場合等に、直後に有害な作用が現れる性質をいいます。この摂取形態は作業者に最も起こり得るため、原体、製剤の両方に要求される試験です。最近使用されるシロアリ防除薬剤は毒性が低くなってきていますが、一部の有効成分は比較的急性毒性が高いものもあり、取扱には注意が必要です。急性毒性の内、薬剤を口から摂取し、消化器等で吸収された際に生じる毒性を急性経口毒性)、皮膚から吸収された薬剤により体内で生じる毒性を急性経皮毒性()、呼吸器経由の場合を急性吸入毒性(Acute )といいます。一般的には、経口毒性のほうが強く出ることが多いですが、薬剤によっては経口毒性と経皮毒性の差が小さいものもあります。この急性毒性は、ラットなどの実験動物に対し、薬剤を一定の条件下で投与し、中毒症状や、実験動物の生死を観察し、動物の半数を死亡させる薬剤量を統計的に算出することで求めます。この半数の実験動物を致死に至らせる薬剤量を、体重1㎏辺りの薬剤量(㎎)で示し半数致参考文献 蔵並潤一、薬理試験とGLPの今後の展望、日本薬理学雑誌、2012、139巻、3号、p109-112 永見和之、GLPとは何か、日本薬理学雑誌、2007、130巻、5号、p403407Concentration)を用います。Acute (後編に続く)Dose)2) ₁) 28日間にわたって、繰り返し経28日間反復経口毒性試験で表1 認定申請に求められる安全性資料人畜毒性に関する資料水産動物等に対する毒性に関する資料動物および土壌、水中における分解性、残留性に関する資料項目製剤有効成分急性経口毒性急性経皮毒性急性吸入毒性28日間反復経口毒性急性神経毒性眼一次刺激性皮膚一次刺激性皮膚感作性変異原性コイに対する急性毒性〇ミジンコに対する急性毒性〇生物濃縮性土壌吸着性または土壌溶脱性加水分解速度水中光分解性

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