・ 築3年/建坪42坪の在来工法・内外基礎断熱・防湿コン・ 使用薬剤:木部乳剤/土壌処理剤/ベイト剤基礎断熱採用の建築物の被害物件への対応事例をこれまで2例ほど紹介してきました。弊社ではブロック剤による対応を施工の中心に据えて実施していますが、再施工時の防蟻機能を担保しやすいといった事で採用しています。一口に「基礎断熱」と言っても様々な方法がとられているため初見で構造を判定することは非常に難しいです。築年数の古いものほど構造情報が少なく、また、一般的には事業規模の小さい工務店ほど情報が取りにくいです。情報の乏しい物件ほど検査の時点からつまずくといった問題に当たる事が多いです。今回は弊社でこれまでで一番苦労した案件となります。クリート床下暖房西側仏壇置場の柱からシロアリのハネアリが発生したとのことで調査依頼が入りました。脱衣所に床下点検口は設置されていましたが、土間面から20センチしか高さがなかった為仏壇置場と、柱に近い床を剝がして(写真①②)もらった上で調査を開始。床下を調査したところ、基礎断熱剤より延びる蟻道を確認(写真③④)。調査を進めたところ、布基礎に貼り付けられた断熱材の周囲に蟻道を多数確認。床下暖房ということでしたが、土間コンクリート内に敷設されている状況だったため駆除方③ 床下暖房配管上に直接土間コンクリート打設④ 土間コンクリートへ穿孔し床下土壌への薬剤注入処理法の選定に悩む事となります。施工に対しての問題点は次の通り。①床高が低く、大引き下が20センチ②間仕切り基礎全てに断熱材貼り付け以上のことから被害リスクを最小限にする全体施行を実施するためには床の全面撤去が必要となります。費用も嵩み工期も長期となる為、被害エリア中心に限定した部分施行としました。作業内容は次の通りとしました。①食害エリア周囲の床剥離開口②食害木部への薬剤処理③被害箇所周辺の断熱材への薬剤注入処理⑤外部処理(仏間外壁剥離及び薬剤処理)三和薬肥株式会社 沼山 祐司16agreeable No.64 October 2022/10 写真⑤写真⑥写真①写真②写真③写真④研究・事例発表床下施工の問題点/基礎断熱被害案件(その❷)
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