しろありNo.165
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18Termite Journal 2016.1 No.165初めて得られたものである。・化合物①:2-propyl dodecanoate・化合物②:3-pentyl dodecanoate・化合物③:3-pentyl tetradecanoate3.3 3種化合物の活性比較および共力作用の確認 これらの化合物を合成し, 各化合物単独及びブレンドした場合の集合フェロモン活性を, 同じく2択選択試験によって評価した。その結果, 3化合物の内, 量的に最も多い化合物②が最も高い活性を示すこと, そして, 3化合物が天然組成比で配合された場合に最も高い活性を示すことが明らかとなった。すなわち, これら3エステル化合物における共力作用が確認された。4. まとめ 本研究において, ヒラタキクイムシ類から初めて集合フェロモンを単離, 同定することに成功し, 乾材害虫モニタリングへの第一歩を刻むことができた。今後は, 実用化に向けた技術開発が切に望まれる。5.謝辞 集合フェロモンの同定にあたっては, 京都学園大学の清水伸泰博士にご指導とご協力を得た。記して謝意を示す。参考文献1)古川法子, 吉村 剛, 今村祐嗣(2009):ヒラタキクイムシ類による家屋被害調査, 木材保存, 35(6), 260–264.2)Titik Kartika, Nobuhiro Shimizu and Tsuyoshi Yoshimura (2015):Identication of esters as novel aggregation pheromone components produced by the male powder-post beetle, Lyctus africanus Lesne (Coleoptera: Lyctinae), PLOS ONE, November 6, 2015, DOI: 10.1371/journal.pone.0141799.図2 アフリカヒラタキクイムシ雄成虫ヘキサン粗抽出物の  ガスクロマトグラム。①~③は雄成虫のみに特異的に存在  する3エステル化合物を示す。

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