しろありNo.165
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3Termite Journal 2016.1 No.165分割試料内のシロアリの頭数を計数した結果, 縞模様のノイズとAEが検出された2つの試料からのみ, アメリカカンザイシロアリの擬職蟻がそれぞれ9頭と4頭生息していることが確認された。3.食害材の空隙率と残存曲げ強度の関係 シロアリ食害材の残存強度評価については, これまで, イエシロアリ食害材中での超音波伝搬速度の低下と残存強度の低下にある程度の相関がみられることが報告されている11, 12)。また, イエシロアリ食害材の断面欠損率と強度低下の関係13)についても報告されているが, 特にアメリカカンザイシロアリ食害による木材内部の空隙の形状は複雑で, 部位によっては断面欠損率が大きく異なるため, より直接的に空隙部分を評価し, 残存強度との関係について検討する必要がある。そこで, アメリカカンザイシロアリ食害による空隙部分の体積と曲げ強度および曲げヤング係数の関係について検討したところ, 両者とも負の相関は見られるもののばらつきが大きく, 空隙率のみで強度特性を評価することは難しかった14)。その理由の一つとして, 材せい方向と長さ方向における空隙の位置によって強度特性への影響が異なることが挙げられる。そのため, 空隙率と強度特性の関係をより精度の良いものとするために, 本研究では, 試験体全体の空隙率のみを評価するのではなく, 食害材のX線CT画像から, 曲げモーメント一定区間における材せい方向および長さ方向における部分的な空隙分布を測定し, 曲げ強度特性との関係について検討した15)。3.1 実験方法 和歌山県内において, アメリカカンザイシロアリによる被害建物を解体し, 解体後の胴縁材, 母屋材から, 木口断面約50×50mm, 長さ1200mmのスギ試験体を53体作製した。試験体の寸法と質量から容積密度, ハンマ打撃を用いた縦振動法(写真1)による固有振動数から式(1)を用いて, 動的な縦弾性係数を測定した16)。E=(2fL)2p………(1)ここで, f : 固有振動数, L: 材長, ρ: 密度 また, 超音波伝搬速度測定器(AKITA SKK社製 Dr. Wood)を用いて, 繊維方向(長さ1200mm)の超音波伝搬速度を測定した(写真2)。超音波伝搬速度測定器は, 丸太材や角材などの測定部に送信および受信探触子を押し当てることによって, 超音波(周波数70kHz)の伝搬時間を測定する。シロアリ食害による試料No.2分間あたりのAE事象数(event/2minutes)擬職蟻の頭数(分割試料位置)ABC111, 9, 210, 4, 011, 5, 74(A)20, 0, 01, 0, 01, 0, 2031, 2, 00, 0, 20, 0, 0041, 1, 01, 0, 00, 0, 2050, 4, 00, 3, 21, 3, 0066, 7, 610, 9, 730, 19, 229(C)73, 1, 00, 0, 00, 1, 2082, 1, 32, 0, 00, 0, 0090, 0, 01, 0, 10, 0, 00100, 0, 02, 0, 01, 1, 00A~C:AEセンサの取付位置を示す。図4(b) 参照。スギ丸太試料No. 1スギ丸太試料No. 6表1 各分割試料におけるAE事象数と擬職蟻の頭数の関係図6 アメリカカンザイシロアリ食害材のX線CT断層画像写真2 Dr. Woodを用いた超音波伝搬速度の測定写真1 ハンマ打撃を用いた縦振動による 動的な縦弾性係数の測定
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