しろありNo.166
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29Termite Journal 2016.7 No.16629した。試験区ごとに植栽されている4本のアブラヤシの1本に, ベイトを設置した。ベイト消費量とコロニーの消長を7日毎に4週間観察した。コロニーが消滅した試験区は, さらに2週間ごとに6ヶ月間観察を継続し, 再侵入を監視した。設置7日後, ベイトは喫食されており, 1〜3週目の喫食量は多かった(第3区では95.08%)。喫食活動は4週目終盤には低下し始めた。アブラヤシへの加害は3週目に減少し, 兵蟻比が高くなった;個体数は50頭以下に減少し蟻道は乾燥していた。4週目までにはシロアリはアブラヤシの葉内では観察されなかった。6ヶ月後, ベイトを設置したアブラヤシや周辺の樹木ではシロアリの加害は認められなかった。0.5%・ヘキサフルムロン含有Copton 0.5RBはアブラヤシ農園のC. curvignathusのコロニーを抑制し消滅させる効果を示した。・ターミフィルム:建物のシロアリの侵入を防ぐユニークで効果的な製品 (TERMIFILM®: A unique, effective product for preventing termite infestation of building construction)Daouïa Messaoudi (Berkem Group, France) TERMIFILM®は多くのシロアリに対して殺虫効果を伴う物理化学バリアであり, 厚さ150μmの耐水性の低密度ポリエチレンフィルムで, 有効成分はペルメトリンである。カプセル化した殺虫剤をポリエチレンフィルムに加工したシロアリバリアで, 人, 動物, 環境に対する安全性分類に該当しない。TERMIFILM®は, 欧州(フランス本国, スペイン, ポルトガル), 南太平洋(アンティル諸島, グアドループ, マルティニク, フレンチギアナ), インド洋(レユニオン諸島, モーリシャス, マヨット), 東南アジア(タイ), カリブ諸国, オーストラリアの地域で, あらゆるタイプの建造物(個人住宅, 集合住宅, オフィス, 商業施設, 農業関連施設, 学校校舎)を長期間シロアリから守る特許発明品である。何か国かの野外試験で, Reticulitermes, Coptotermes, Mastotermes, Microtermes, Microcerotermes, Allodontermes, Odontotermes, Nasutitermes, Cryptotermes, Heterotermesに対するTERMIFILM®の効果が調べられている。Session 3:Ecology and behaviorセッション3:生態と行動・森林生態系におけるCoptotermes gestroiとタイワンシロアリ(Odontotermes formosanus) の種間競争 (Interspecific competition between Coptotermes gestroi and Odontotermes formosanus in a forest ecosystem)Chun-I Chiu(National Chung Hsing University, Taiwan) Coptotermes gestroiは台湾への移入種であり, 一方, タイワンシロアリ(Odontotermes formosanus)は台湾の土着種である。両種が生息するXiaping熱帯植物園に581本の調査用杭を設置したところ, その内387本がタイワンシロアリ, 5本がC. gestroi, 12本が両者による食害を受けた。種間競合エリア, すなわち両者の食害を受けた12本の杭においては, 両者が同時に観察されることはほとんどなく, 季節による食害活性の変化による種の遷移が観察された。両種は食害活性の季節変化において異なったパターンを示し, C. gestroiが種間競争エリアにおいて明確な季節性を示したのに対して, タイワンシロアリは占有エリアと競合エリアにおいて異なった季節性を示した。したがって, シロアリの種遷移は季節性のみで説明できるものではないと言える。ベイト剤によるC. gestroiの駆除を行った結果, その後すぐに旧C. gestroiの占有エリアにある杭がタイワンシロアリによって食害されるようになった。このことは, 両種が競合するエリアにおいては, C. gestroiの活性が衰えた場合, すみやかにタイワンシロアリによる侵入を受ける可能性があることを示唆している。・Coptotermes curvignathusの巣における温度変化 (Temperature fluctuation in Coptotermes curvignathus Holmgren (Isoptera: Rhinotermitidae) Nests)Arinana(Bogor Agricultural University, Indonesia) シロアリの生存に影響を与える環境要因の一つとして温度がある。シロアリは生存のために巣内のある場所の温度を一定に保とうとする。Coptotermes curvignathusの巣内温度を熱電対を用いて継続的にモニタリングした結果, 巣の平均温度は31.4℃であり, これは, 外気温より1.3℃高かった。巣内温度は外気温よりも変動が少なく, このことは, シロアリが巣内温度を安定化しうることを示している。
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