しろありNo.166
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34Termite Journal 2016.7 No.16634であった。81.7%がCGを好み, 次いで底面(10.8%), OG(4.1%), 上面(2.3%), 断面(1.2%)の順であった。・2D NMRによるイエシロアリの消化過程での木材の細胞壁の構造変化 (2D NMR study on structural alterations of wood cell walls during digestion by a lower termite, Coptotermes formosanus Shiraki.)Didi Tarmadi (Kyoto University, Japan) シロアリは木材の細胞壁を効果的に分解する。シロアリの消化機構において細胞壁多糖類の分解過程は広く検討されてきたが, リグニンの分解についてはよくわかっていない。シロアリの消化機構における細胞壁の分解を最新の多次元NMRを用いて検討した。スギとブナの辺材をイエシロアリ職蟻に摂食させ, 排泄物を2D NMRで詳細な構造を分析した。排泄物から分離された細胞壁残渣(CWRs)について, 2D HSQC NMRを用いて摂食前の木材と比較検討した結果, 排泄物は摂食前の木材と比較して, リグニンのシグナルが増加したが, 多糖類のシグナルはかなり減少した。この結果は, チオグリコール酸リグニン分析と中性糖分析での結果と一致し, 多糖類がシロアリの消化過程でリグニンより優先的に分解されることが示唆された。排泄物と摂食前の木材細胞壁から得られたスペクトルでは, リグニンの芳香環と側鎖の典型的なシグナルはいずれも明瞭であり, このことはシロアリの消化過程でのリグニン分解と変性は, 急激なものではないと推察された。しかしながら, ブナ摂食個体からの排泄物では摂食前の木材と比較すると, シリンギルリグニンのシグナルがグアイアシルリグニンのシグナルより若干減少することが明らかになった。・5種Macrotermes属のミトコンドリア全ゲノム配列の比較研究 (A comparative study on the complete mitochondrial genome sequences of 5 species in the genus Macrotermes)Yan-Sheng Liu (Jiangxi Agricultural University, China) Macrotermes属はキノコシロアリのグループでキノコシロアリ亜科に属する。M. annandalciとM. yunnanensisの2種についてのミトコンドリアの全ゲノム配列が決定され, 報告されている。これらはシロアリのミトコンドリアゲノムに関する4番目と5番目の報告になる。中国に広く分布するM. barneyiとアフリカ産のM. subhyalinusとM. natalensisのGenBankデータと併せて, 別グループのタイワンシロアリ, ヤマトシロアリ, イエシロアリと併せて, 5種Macrotermes属の系統樹を最尤法(ML)とベイズ推論(BI)を用いて作成した。5種の構成構造, コーディング及びノンコーディング領域を比較した結果, ミトコンドリアゲノムは適応放散や種分化の解明に重要であった。1. M. annandalciとM. yunnanensisのミトコンドリア全ゲノム配列の長さは各々15375 bpと15965 bpであった。2. 雲南産2種Macrotermes属は, 最も長いノンコーディング領域に余分なタンデム反復を含んでいた。2つのゲノムの差異は2種を区別するマーカーとなる可能性がある。3. Macrotermes属は起源であるM. subhyalinusとM. natalensisを基底としていた。アフリカ産のM. subhyalinusとM. yunnanensisは姉妹群として近接関係であると推定されたが, M. barneyiは他種より進化していた。4. 5種におけるNADHデヒドロゲナーゼ複合体とATP8は高い変異率とKa/Ks比を有し, 種と環境適応性の関係を示唆している5. 5種間のメタゲノム解析結果は, 分布や生息環境と関連性が高かった。・イエシロアリ生息域の北限調査報告 (Reporting the northern limit of the distribution of subterranean termites Coptotermes formosanus Shiraki (Isoptera: Rhinotermitidae) in worldwide)Pang Zheng-Ping (Wujin Institute of Termite Control, China) シロアリは気温変化に敏感な昆虫で, 生息域の拡大は遅い。これらの特徴は, 地球温暖化の指標昆虫となりうることを示唆している。Coptotermes属の健全なコロニーが, 2013年6月27日にSoufang村(Guandun町, Shuyang市, 江蘇省)の北緯34°12′, 東経118°53′, 標高 6mの地点で発見された。採集し種判別のために室内飼育した。野外コロニーは継続的に調査し, 2〜3年間同時期に群飛した有翅虫を採集した。形態的特徴及びDNAバーコーディングによりイエシロアリと判別された。すなわち, イエシロアリはかつて採集された北限である北緯33.5°から 34°12′へと北上していた。地球温暖化により, 他の昆虫と同様にイエシロアリの分布域が変化すると考えられることから, そ

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