しろありNo.166
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41Termite Journal 2016.7 No.16641 WPは, VP金物の釘が木材にめり込み, 最大荷重を迎えたのち, 徐々に釘が引き抜け, 最終的には土台の割裂によって終局に至った。 SKは, 込み栓が健全な場合はWKと同様の破壊がみられたが, 最終的には土台の割裂によって終局に至った。込み栓が食害された場合は図5のように荷重がほとんど上昇しなかった。 写真11〜14に各試験体の主な破壊性状を示す。 WKは, 込み栓の曲げ破壊とほぞの端抜けがみられた(写真11, 12参照)。SKは, WKと同様に込み栓の曲げ破壊とほぞの端抜け, さらに土台の割裂がみられた(写真13参照)。WPは, ほとんど全ての試験体でVP金物の下側で土台の割裂がみられた(写真14参照)。3.3 最大耐力 図6に各試験体の最大耐力を示す。なお, 繰り返しと単調載荷の結果において差がみられなかったため, 以下の考察では両者を区別せずに用いる。試験体ごとにシロアリの食害の程度に差があるため, 全てで試験体ごとにばらつきがみられた。 WKでは, 食害ありの試験体は, コントロール試験体と比較してばらつきが大きく, 耐力の低下が確認された。WPでは, 食害有の試験体は, コントロール試験体と変わらない結果を示した。また, 全ての試験体で, コントロール試験体, 食害ありの試験体ともに, 平均値がもっとも高くなった。SKは, WKと同様に, 食害ありの試験体は, コントロール試験体と比較して耐力の低下が確認され, その比率も最大であった。図4 荷重変位関係(WP)図5 荷重変位関係(SK)図6 最大耐力の比較024681012140102030変位(mm)荷重(kN)0246810121401020304050変位(mm)荷重(kN)写真11 WK破壊性状写真14 WP破壊性状写真12 WK破壊性状2写真13 SK破壊性状3.4 初期剛性 図7に各試験体の初期剛性を示す。試験体ごとにシロアリの食害の程度に差があるため, 最大耐力と同様に全ての試験体でばらつきがみられた。 WKは比較的ばらつきが小さく, 食害ありの試験体は, コントロール試験体と比較して初期剛性の低下がみられた。WPは, ばらつきが大きいものの, 全体的に

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