しろありNo.167
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32Termite Journal 2017.1 No.167【土井】小野さん, お願いします。【小野】ご質問ありがとうございます。ガイドラインに関しましては, 申し訳ございませんが, 出来上がったものに関して我々の方がご指導を受けて, 「こういったような形でやりなさい」という形で伺っていますので, その経緯については大変勉強不足で申し訳ございません。 また, 蟻害に関しましては, そもそも瑕疵保険の瑕疵というものが施工業者の非, もともとの品確法の瑕疵に対する保険, かつ, その瑕疵を保証する事業者が実際的に, 名前を挙げて恐縮ですが, 姉歯の問題がございました。 そのときに, やはりヒューザーというところが建物の構造にものすごい瑕疵があって, それのマンションを買ってしまった人たちに対する補償ができなくなって倒産をした。結果, その方々が二重で保険を受けなければいけないといったところをまず救済しましょうというところで, 国土交通省より認可を受けた5法人がいまそれぞれやっているという形でございます。 ただ, 確かにシロアリに関しては事業者側の原因でシロアリになったのかどうかというのが, 我々の法人の方としてもそういったところの判断が出来かねないだろうということで, 国土交通省様との認可折衝の間でそういった取り決めがあったという形で伺っております。 ただ, 新たに先ほどの資料の10ページの下段ですが(図7), これはまだ5社中1社しかありませんが, シロアリの損害の担保保険が, 少なくとも既存の建物に関しては見受けられています。これも実際にある程度のメンテナンスのシロアリに対する知識をお持ちの方が検査をしたことによって, 蟻道等がまず確認をされなかった。その後にシロアリに被害を受けたら, シロアリに対する1年間の補償が受けられますよ。まず, これが我々としては第一歩なのかな。 これから先, 住宅に関する瑕疵ではない保険として, またこういったような形が特約で一歩ずつ少しずつ門戸が広がって, 建物全体にこんな被害があっても, 一般ユーザーの皆様が困らないようにということを日々, 我々は認可折衝と言っていますが, 各法人も一歩一歩いま努力をしているところでございますので, いろいろな面でいろいろな知識を我々の方にいただいて, どういった保険ができるのかということをしっかりと今後考えさせていただきたいと思います。【土井】よろしいですか。【友清】結論的に, 既存住宅の場合に現にシロアリが付いていて, それをきれいに我々シロアリ防除業者, 誰がするかもひとつ問題ですが, 我々の協会の会員がそれなりの協会の仕様書に基づいて, 協会仕様書持っていますので, そういうのでちゃんと資格を持った防除士が施工してやれば, シロアリのいない状態に, もちろん被害個所等はリフォームで取り替えることも出てくると思いますが, できるわけです。それが, 保険の対象になるかならないかというのは非常に重要なことなので, その辺をもう少し突っ込んでご議論を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。【小野】貴重なご意見を, ありがとうございます。【土井】他に何か。南山さん, 何かありませんか。【南山】東京でやっている南山です。私も確認ですが, 先ほどインスペクション・ガイドラインの中で, 要するに誰がやるかということで, 一応建築士, もしくは施工管理技士になっていますが, 私どもの会社で現実にたくさんやっていますが, 国土交通省もガイドラインは出したけど, 強制的にこの資格がなければインスペクションをやってはいけないと言うつもりはないと聞いています。となると, 保険協会は「誰がやります」と決められる立場だという気がします。 その中でお願いしたいのは, インスペクションで建物本体部分というのがあって, あと我々がやるような床下部分。あと, 一部設備みたいなのがあります。それぞれ得意な分野の人たちがいると思いますが, ある意味, 全部ができる可能性があるのは実は我々しかいないのではないかなという気がしています。というのは, 実際に建物の検査をする方は床下に潜ることはまずありません。 そういう意味で言うと, 我々がなければ本当の意味でのちゃんとしたインスペクションは成り立たない気がしています。ということであれば, 例えば我々が持っている蟻害・腐朽検査士であったり, 施工士であったりという資格を, そちらの協会の方で認めていただいて, どういう組み合わせになるかは別としても, 建築士というと我々は非常にハードルが高過ぎます。我々はせっかく技術を持っていいサービスができるのに, 「建築士がなければ法的に認めないよ」と言わると非常に寂しい気がするので, 今後の課題の中でぜひ我々が持っている技術を資格案件として入れていただくようなことをお願いしたいのですが, そういった可能性はいかがでしょうか。パネルディスカッション
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