しろありNo.167
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44Termite Journal 2017.1 No.1672) シロアリ摂食音の実証試験4) 図8に試験系統図を, 写真5に摂食音測定状況を示す。シロアリの摂食音を直接木材に密着させて検出するAEセンサと, 非接触で検出するマイクロホンの2種類のセンサを用いて, 木材表面のAEセンサの音圧とマイクロホンによる空中音圧レベル, 卓越周波数, 摂食頻度を測定した。図9は, シロアリが摂食毎のAEセンサとマイクロホンで測定した摂食音圧を記録したもので, 音圧レベルは0dB=1µV, AEセンサVS30-Vの感度は5.62mV/Pa, マイクロホンCO-100Kの感度は158mV/Paである。図10は, 摂食音圧の時間波形と周波数スペクトラムの測定例(事象⑥)である。表2は, 図9に示した①〜⑩の事象時のAEセンサとマイクロホン音圧を抽出し比較したものである。 木材表面音圧は20〜200mPa, 木材表面から空中100mmの距離の音圧は2〜20mPa, 卓越周波数は20〜70kHzであることが判明した。図11は, マイクロホンCO-100Kの音圧感度, 自己雑音の周波数特性に, シロアリの摂食音の木材表面音圧範囲( 図中青枠で示す), 空中音圧範囲( 図中赤枠で示す)及び周波数帯域20kHz〜70kHzのマイクロホンのノイズレベル(64µV=0.4mPa)を図示したものである。空中音圧/木材表面音圧は, 1/10〜1/100の値で, 想定した減衰より少ない結果となった。また, 空中音圧は, マイクロホンのノイズレベルより大きいため, マイクロホンでシロアリの検知が可能であることが確認された。(a)1秒間当りのAE信号数(シロアリ摂食回数)(b)シロアリ摂食時のAE最大音圧(0dB=1μV)(c)シロアリ摂食時のAE波形(感度1Pa=5.62mV at 40kHz)(d)シロアリ摂食時のAE周波数スペクトラム最大音圧0.56Pa(=3.16mV)卓越周波数(30kHz~50kHz)AEセンサVS30‐Vシロアリ試験木材マイクロホンCO100Kペンシル圧折図7 シロアリ摂食音のAEセンサによる測定結果写真5 シロアリ摂食音測定状況図9 シロアリ摂食音圧測定データ例図8 マイクロホンによる実証試験系統図

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