しろありNo.167
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65Termite Journal 2017.1 No.167撤去後のイエシロアリ飼育営巣 試験木材撤去後, イエシロアリ飼育営巣に, 餌木(寸法35㎜×35㎜×250㎜の蒸煮木材)8本を置いた。餌木投与から24時間後の状況を写真21に示す。大量の職蟻が木材表面を加害しており, 今回の実験でも営巣の活性が損なわれることはなかった。この営巣では今回を含め4回, ホウ酸塩を用いた食害試験を行った。同じ営巣で, 4回の食害試験を実施したが, 営巣の活性は現在も維持されている。写真21 試験木材撤去餌木投与24時間後の状況表2 AE発生数写真22 ホウ酸塩表面処理蒸煮木材の食害状況写真23 無処理蒸煮木材の食害状況撤去後の乾燥 撤去した試験木材をトレーに並べ, 付着した蟻土を除去し, 9日間自然乾燥させた。集団食害試験結果 無処理の蒸煮木材とホウ酸塩で表面処理した蒸煮木材の食害状況を写真22〜23に示す。 無処理の蒸煮木材とホウ酸塩で表面処理した蒸煮木材の両木材共, 木材内部まで食害されていた。ホウ酸塩で表面処理した蒸煮木材は, 無処理の蒸煮木材と同様に食害されていた。ホウ酸塩による表面処理防蟻効果に疑問が残る食害結果であった。3)AE計測結果a. AE発生数 10日間計測した, AE発生数を表2に示す。 1日目から, 無処理の蒸煮木材とホウ酸塩で表面処理した蒸煮木材にAE事象が発生し, 両木材共, シロアリにより1日目から食害された事を確認した。ホウ酸塩で木材表面を処理しても, 処理された木材表面は, シロアリの忌避は無く, 喫食阻害も無いため, シロアリにより木材が加害穿孔され, 食害が進行することを確認した。

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