1010力も下がる傾向を示した。コントロール試験体と後施工試験体との打込み深さが等しい12〜24mm辺りを比較すると容積密度との関係と同様に下限を示している値は近い値を示しており, 大きな差が見られず打込み深さを用いることで下限を評価できる可能性が示唆された。 初期剛性については, 容積密度との関係と同様にばらつきが大きくその傾向はわかりにくかった。 仕事量については, ばらつきは大きいものの打込み深さの増加に伴う性能の低下は看取された。ただし, コントロール試験体による仕事量にも大きなばらつき図8 打込み深さと容積密度の関係図9 最大耐力と打込み深さの関係図10 初期剛性と打込み深さの関係があるため, 評価項目としても難しい傾向があることがわかった。 最後に引き抜き抵抗については, 容積密度と同様に最大耐力と似た傾向を示し, 前施工試験体とその他では明確な差が見られた。 これらの結果より, 初期剛性以外については打込み深さを用いることでコントロール試験体と同様に後施工試験体は下限を推定することが可能であると考えられる。また, 本報においても錆の評価は難しく, 高梨らの研究4)で取り上げているような錆に伴う上昇分を加えることなどが必要かもしれない。ただし, 建物などの構築物の性能評価に限れば, 耐力的には安全側に評価されることから, 錆の効果は無視して後施工のみで評価するのも一つかもしれない。図11 仕事量と打込み深さの関係図12 引き抜き抵抗と打込み深さの関係
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