しろありNo.173
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2 )森 拓郎, 田中 圭, 毛利悠平, 簗瀬佳之, 井上正文,五十田博(2016):シロアリ食害を受けた木材に打ち込まれた木ねじ接合部の残存耐力に関する研究,日本建築学会構造系論文集, 日本建築学会, Vol.81, No.725, pp.1113-1120.3 )毛利悠平(2015):しろあり, No.157, pp.39-42.4 )Takanashi R, Sawata K, Sasaki Y, Koizumi A(2017):Withdrawal strength of nailed joints with decay degradation of wood and nail corrosion. Journal of Wood Science 63(2), pp.192-198.1111参考文献 1 )森 拓郎(2019):シロアリ食害材に打ち込まれた釘接合具のせん断性能, しろあり, 日本しろあり対策協会, No.172, pp.45-48.謝辞 本研究は, 科学研究費補助金(基盤研究(B)(一般)18H01589:代表者:森 拓郎)により実施し, 京都大学生存圏研究所全国共同利用研究・DOL/LSFの補助を受けました。本研究を行うにあたり, 様々な助言・助力をいただきました簗瀬佳之准教授(京都大学), 田中圭准教授(大分大学), 大分大学理工学部田中研究室(当時)の学生諸氏に, この場を借りて御礼申し上げます。 4. まとめ 本報では, シロアリ食害を受けた釘接合部における引き抜き性能評価と, ピロディン打込み深さを用いた診断との関係について報告した。その結果, 後施工試験体においては, 木材がシロアリ食害を受けることで容積密度が低下することによって, 容積密度低下分だけ最大耐力, 引き抜き抵抗値が低下することが確認できた。ただし, せん断性能と同様に, 釘が錆びることによる耐力上昇がみられ, うまく評価できないことが確認できた。今後, 既存の釘の残存性能については, 前述のように後施工で得られた値を保証することとし, 初期剛性の上昇がみられなかったことから錆による効果は無視するというのも一つかもしれない。

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