間(10ポイント)を測定時間の基準とした。また, 1測定条件について6反復と3反復でも差が無いかを確認するため, 試験体(イエシロアリの職蟻90頭, 兵蟻10頭)とタームレーダーの間にスギ板10㎜を配置し, 5秒間(10ポイント)で比較した。結果は, 3反復と6反復でTR値に顕著な差は見られなかったため, 反復回数は3回を基準とし得られた値を記録した。データの解析では, 得られたTR値を0〜99, 100〜199, 200〜299, 300〜399, 400〜499, 500〜599, 600〜699, 700〜799, 800〜899, 900〜999の10段階に分け, その頻度(%)で評価した。*イエシロアリの個体数は職蟻と兵蟻の割合を9:1とした。図2 各種シロアリの頭数別TR値頻度 25254. 結果と考察 試験体にシロアリがいない状態でのバックグラウンドの測定を5秒間(10ポイント), 3反復行ったところ, 値は最大で65, 最小で2, 平均で26となった。シロアリ以外の要因で得られるTR値は, 概ね50以下, 頻度の割合も0〜99の低い範囲に留まることを確認した。この結果に加え, TR値100〜199は判定の難しい範囲と考え, 200以上をシロアリ検知の目安値と定めた。4-1. シロアリの種類と頭数の評価 図2に各種シロアリの頭数ごとに計測されたTR値を頻度別で示す。また, 表2に各種シロアリの頭数別TR値200以上の割合を示す。イエシロアリの場合, 100頭と50頭での検出結果は同程度となり, 大きな差はなかった。頻度の割合は900〜999が60%以上であり, 200以上が96.7%となった。10頭では200以上が26.7%となり大幅に低下したが, 500以上も僅かではあるが検出され, バックグラウンドの結果とは大きく異なる結果となった。職蟻, 兵蟻が1頭でもTR値は大幅に低下したが, 200以上は職蟻1頭で26.7%, 兵蟻1頭では56.7%と10頭より高い値を示した。これは兵蟻の動きが活発であったことが考えられ, TR値はドップラーセンサーの特性上, その時のシロアリの動きの状況に大きく左右されることが推測される。ヤマトシロアリも同様, 個体数が多いほど高い値が得られており, 200以上は50頭で86.7%, 10頭で60%となった。アメリカカンザイシロアリは, 10頭であっても200以上は90%となり, イエシロアリやヤマトシロアリよりも顕著に大きな値を示した。ヤマトシロアリやイエシロアリに比べ, アメ
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