しろありNo.173
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三和薬肥株式会社 沼山 祐司Presentations at The Research Meeting断熱材侵入経路部を剥がし取り基礎側が低くなるようカット断熱材・使用薬剤:木部乳剤+ブロック剤 ブロック剤施工手順は次の通りである。内基礎断熱被害部を中心に調査し, 被害のある断熱材(写真1, 2) 建築物の基礎断熱の歴史は50年以上前に遡るが, 建築業界が積極的に工法に取り入れられるようになって20年以上となった。北海道をはじめ北国では比較的早い段階から採用を始めた工務店も多く, その背景には「寒冷地の人々は暖かい家を求める」という事から, 他社と差別化をする意味で採用が進んだようである。また, 近年では「省エネ・低炭素」に繋がる工法に優遇税制があることに着目し, 全国的に拡がりを見せているようである。 省エネ基準地域区分3の岩手でも例外ではなく, 現在建てられている建築物はかなりの割合で基礎断熱が採用されている。そのような背景から, 弊社が手掛けるシロアリ被害駆除における基礎断熱の被害物件割合は右肩上がりの状況である。 基礎断熱は基礎の立ち上がり部分に断熱を施す仕様だが, 構造は大きく3通りに分かれるのはご存じだろう。①基礎の内側に断熱材を貼り付ける「内基礎断熱」, ②基礎の外側に貼り付ける「外基礎断熱」, 寒冷地では③基礎の両側に貼り付ける「内外基礎断熱」といったものもある。 今回の案件データは次の通り・ 築25年建坪42坪の在来工法・内基礎断熱防湿コンクリート写真1 断熱材の蟻道写真2 断熱材の蟻道 写真3の断熱材の傷に沿って写真4のように蟻道が走っているのが判る。を確認したら, 施主に説明した上で了承を頂き蟻道確認のため断熱材を剥がす(写真3, 4)。 断熱材の除去は場所によって変えている。被害発生部周辺は全面剥離撤去。それ以外の場所は防湿コンクリート(土間コンクリート)面から高さ10センチ程度の範囲を全周撤去する。撤去のイメージを断面図(図1, 2)に記す。写真3 剥離前図1 被害発生部の処理などTermite Journal 2020.1 No.173写真4 剥離後29研究発表基礎断熱被害案件へのブロック剤施工事例

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