しろありNo.173
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4.2 生息状況 2階天井裏までの建物内全域で糞及び糞排出口が確認され, 多数のコロニーによる高密度の生息があると推測された。(写真2 天井裏糞)4.3 食害箇所 1, 2階の天井裏については進入が出来なかったが, 空き家の為, 壁面撤去, 天井撤去の許しを得た。従って, 最も食害が甚大であった1階玄関付近の壁面及び天井の一部, 2階居室の壁面及び天井の一部を撤去のうえ調査・駆除を実施した。(写真3 壁面撤去状況)目視株式会社 中央社 大山 克幸Presentations at The Research Meeting32写真1 床下状況写真2 天井裏糞研究発表アメリカカンザイシロアリの被害と駆除事例報告1. はじめに 弊社が2009年に初めてアメリカカンザイシロアリの相談を受け施工を行って以降, 現在までに中野区内で7件の駆除作業を行った。その中で最も被害が甚大な空き家の被害状況と駆除事例を報告する。また, 施工から見える問題点について考察したい。2. 対象家屋 中野区の2階建て木造家屋(空き家)3. 経緯 近隣から「数年前から5月くらいになるとお宅からシロアリらしき羽蟻が飛翔し, 洗濯物につく。また, 我が家に移ってきそうで心配だ。対策を乞う」とのクレームがあり, 対象物件の管理者から依頼を受けた。その後, 調査・見積もりを行い成約となった。4. 被害状況4.1 構造・環境 対象建物は築40年以上経過した木造家屋で, 壁面はモルタル(吹き付けタイル仕上げ)であったが, 玄関枠, 窓枠, 垂木等の木建材が露出していた。また, 床下は30㎝程度と比較的浅かったことにより, 風通しが悪く多湿であった為, 浴室周囲にはカビ・建材腐食が多く確認され, 室内についても換気は殆どされていなかった。 総じて, 露出木建材からの侵入が容易であり, 家屋内は多湿であったことから生息に好適な構造・環境と評価した。(写真1 床下状況)

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