5.3 結果 作業期間中, 全7ヶ所の様々な建材から生虫が確認され, 5月31日の点検時には羽アリも確認された。6月13日以降, 薬剤処理箇所から死虫も多く確認され, 順調に駆除効果が出ていると思われたが, 7月11日の点検結果から, 契約外の追加作業を1回実施する運びとなり, 結果, 最終日に手洗い台周辺の木部から生虫が確認された。同箇所について薬剤処理を実施したが, 契約上の理由により, その後は経過観察とし, 効果判定が出来ないまま本駆除作業は完了となった。(写真7 羽蟻)(写真8 死虫)6.2 見積もり・契約上の問題点 生息状況を判断した結果から1回の追加作業を無償で行った。その後の追加作業に関しては追加料金が発生する旨, クライアントに説明・協議を行ったが, 解体前の物件である等の理由により効果判定をしないまま本作業は終了となった。このことから, 見積もり時に於ける生息状況把握の難しさ, また, 駆除・点検計画の提案等, 契約上の難しさを痛感した。6.3 今後について 弊社にとって, アメリカカンザイシロアリの駆除作業は未だイレギュラーな案件であるが, 中野区ホームページによる啓蒙, 周知等の結果からか, もしくは地域一帯での生息密度がより高くなったからか, 年々, 相談件数が増加していると思われる。 今後について, 更に良い結果が出るよう現場経験を蓄積のうえ, 新しい工法の学習・技術向上に努めたい。写真7 羽蟻写真8 死虫写真8 薬剤処理箇所からの死虫35356. 考察6.1 施工に於ける問題点 天井裏等, 侵入が困難な箇所については目視調査及び穿孔注入が出来なかった為, 建材の接合部への散布を入念に行った。しかし, 薬剤が木材深部にまで浸透することは無いと思われた為, 薬剤が有効に作用しているか不安があった。また, 壁内を処理する際に断熱材及び建材が障害となり, 木部処理剤が届かない箇所があると推測された。
元のページ ../index.html#39