(公社)日本しろあり対策協会 防除技術委員会 副委員長 友清 重孝Presentations at The Research Meeting正で処理量は1㎡当り300㎖を標準に改めた。 即ち, 木材への吸収量⇒付着量⇒処理量へと変わった。その理由は現場の処理では木材表面からの垂れや吹付け時の空中飛散があるからで, 設計時に吸収量や付着量では積算が出来ないので, 現場で実際に使う量即ち処理量とした。 (2 ) 防蟻処理は, 木材防蟻剤による開そう法, 加圧法, 浸せき法, 塗布法または吹付け法とする。 (3 ) 防蟻処理した木材は, 人畜に有害であってはならない。 (4 ) 防蟻処理した木材は, 鉄食するものであってはならない。 (5 ) 木材は, 防蟻処理に支障のない程度に乾燥していなければならない。 (6 ) 防蟻処理した木材は, 十分に乾燥したのちに用いる。 b 木材防蟻剤 木材防蟻剤(木材防腐防蟻剤を含む)の種類, 類別, 溶剤および濃度は, 特記仕様書による。 c 工法 (1 ) 木材防腐処理の類別は11.1.16表による。ただし特記のない場合はⅡ類とする。36研究発表仕様書における木材処理と土壌処理の変遷付録:吹付処理法に用いるノズルのスプレーパターン1. はじめに 令和2年(2020年)4月1日に民法改正が施行されるので, 契約で木材処理と土壌処理の薬剤量の位置づけが重要であることから, 本資料を纏め, 仕様書の変遷を時系列で下記に示す。 なお, 仕様書中, 前回の改訂から木材処理と土壌処理に関する箇所の変更がなく或いはあまり重要性でないものは「略」とした。又, 時系列が分かりやすくするために資料はおおむね和暦であったが, 西暦と和暦を併記した。 協会最初の仕様書は昭和32年(1957年)12月に設けた「日本建築学会建築工事標準仕様書」の木材防蟻処理の項をもとにして, 全日本しろあり対策協議会が昭和36年(1961年)に制定した「木造建築物のしろあり防除処理仕様書」である。 「日本建築学会建築工事標準仕様書」の木材防蟻処理において, 防蟻を規定しており, 全日本しろあり対策協議会制定の「木造建築物のしろあり防除処理仕様書」の処理の対象となる箇所は特別な場所を除いて全く同じである。そこで, 「日本建築学会建築工事標準仕様書」を最初に紹介する。 重要なことは, 木部の防蟻処理の薬剤量の定義である。最初の仕様書は「1回吹付けをして木材に吸収させたのち, さらに1回以上吹付けを行う。」と吸収量であった。 昭和48年(1973年)版の仕様書では木材処理は「2回の処理を行うとし, 薬剤は木材に付着する薬剤量」と付着量となった。 昭和61年(1986年)の改正で「処理量は1㎡当り油溶性薬剤では300㎖, 乳剤では400㎖を標準とする。」とし, 2回の処理をなくし, 木材に付着する薬剤量から処理量と変更した。 平成6年(1994年)11月1日の改正までは, 「処理量は1㎡当り油溶性薬剤では300㎖, 乳剤では400㎖を標準とする。」と油溶性と乳剤とあったが, 予防駆除剤は乳剤へ移行したことを受けて, 平成9年(1997年)の改2. 仕様書の変遷日本建築学会建築工事標準仕様書(JASS11)昭和32年(1957年)12月11. 木工事標準仕様書11.1.13 木材防蟻処理 a 一般事項 (1 ) 本仕様書は, 建築物の構造耐力上主要な部分その他, しろあり(白蟻)に食害されやすい個所に使用する木材の防蟻処理に適用する。ただし, その適用範囲は特記による。
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