又, 基礎に沿って20㎝巾当り5ℓの処理では基礎の長さ当たりの薬剤量を計算する必要があり, 積算上面倒であるので, 処理長当りの薬剤量へと概念を変えて帯状散布の用語を定義し, 帯状散布は基礎の内側とし20㎝の幅で処理長1m当り1ℓとした。面状散布の用語も定義し, 帯状散布をした内側の土壌の表面1㎡当り3ℓとした。この基準は現在に至っている。 粒剤による土壌処理法を仕様書に加えたのは, 協会の処理概念とは異なる方針で, 製剤メーカーが粒剤による土壌処理を行い始めたので, 平成12年3月17日開催の仕様書委員会に製剤メーカー2社の出席を求め, 志澤寿保, 速水進, 鈴木憲太郎, 中島正夫の学識者と意見を交わして, 仕様書改定作業を行った。 又, 委員会で実験した結果, コンクリート土間打ちの場合, 転圧した後に, 直接粒剤を散布 し, コンクリートを打設すると, 粒剤は割り栗 石の中へ銜え込み現象でコンクリート内に綴じ込まれることが判明したので, 割り栗石の上に防湿フィルムを敷設してコンクリートを打つよ うにした。 既存建築物の木材処理に「駆除では, 蟻道を構築している箇所や被害箇所を認定薬剤で入念に処理する」を追加することを承認した。この一部改正の目的は, 認定薬剤の区分が, 予防駆除剤と土壌処理剤であり, 駆除に予防駆除剤を使用すると予防駆除剤の殺蟻主成42423-2 木材処理 (1) 吹付処理法 吹付処理法は木材の表面に予防・駆除薬剤をノズルで吹付ける方法で, 処理量は1㎡当り300 ㎖を標準とする。 (2) 塗布処理法 塗布処理法は木材の表面に予防・駆除薬剤を刷毛などで塗布する方法で, 処理量は1㎡当り300㎖を標準とする。 この改訂で, 吹付処理法と塗布処理法を分けて記載すると共に, 浸漬処理を削除した。平成9年(1997年)4月1日 防除施工標準仕様書 (改訂)3. 処理の方法3-1 土壌処理 (1) 散布法 散布法は床下土壌表面に土壌処理剤を散布する方法で, 基礎の内側および束石の周囲, 配管などの立ち上がり部分の土壌に対して, 壁際から帯状に20㎝の幅で薬剤を処理する帯状散布とそれ以外の床下土壌表面に薬剤を散布する面状散布法がある。薬剤の散布量は乳剤, フロアブル剤, マイクロカプセル剤などの液剤(以下「液剤」という)を用いる場合, 帯状散布は処理長1m当り1ℓ, 面状散布は1㎡当り3ℓとする。粉剤又は粒剤(以下「粉粒剤」という)を用いる場合, 薬剤の用法用量を遵守し均一に土壌に散布する。 今回の改訂で, (2)加圧注入法, (3)混合法, (4)土壌表面皮膜形成工法, (5)水溶性フィルム材による土壌処理法, (6)土壌固化工法, (7)発泡施工法, (8)土壌表面シート敷設工法, (9)パイプ吹付工法を設けたが, 詳細は略す。平成13年(2001年) 防除施工標準仕様書3. 処理の方法 3-1 土壌処理:変更が無いので 略 粒剤による土壌処理法を追加 処理の方法 (1) 帯状散布は基礎の内側および束石の周囲, 配管等の立ち上り部分とし, 側壁を重点的に壁際から帯状に20㎝幅で処理する。処理長1m当たり所定量(社)日本しろあり対策協会で認定された量で, 効力的に「液剤」を用いた場合の薬剤1ℓに相当)の粒剤の散布を標準とする。 (2) 面状散布は, 1㎡当り, 所定量(社)日本しろあり対策協会で認定された量で, 効力的に「液剤」を用いた場合の薬剤3ℓに相当)の粒剤の散布を標準とする。 (3) 再施工は, 原則として, 前に散粒された粒剤の上に, 新たに所定量の粒剤を重ねて散布する。 尚, 粒剤は素材や使い方によって製剤型や使用方法が異なり, 大きくは表1, 表2のように分類されるとした「粒剤による土壌処理法の施工上の注意点」を仕様書に収めた。平成28年(2016年)9月29日の理事会で既存建築物 しろあり防除仕様書の一部改正
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