しろありNo.173
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 木材への吹付処理法に用いるノズルのスプレーパターンは充実円錐形と中空円錐形に大別される。木材への吹付の薬剤処理量は吸収量と付着量, 落下量, 空中飛散量の和であり, 吹付処理では木材表面のみならず, 継手や木口・割れ等の空隙へ有効に薬液を到達させる必要がある。そのためには薬液粒子の運動量が大きい必要がある。又粒子が小さく, スプレーパターンが中空円錐型では空中への飛散が多い。従って, 粒子を大きくし薬液粒子の運動量を大きくすると共にスプレーパターンは充実円錐形でなければならない。 充実円錐形は円の中心部から外縁部まで均一であるが, 中空円錐形は円の外縁部のみに薬液が集中しているので, 角材を処理する場合を考えると, スプレーの外縁部の一部しか木材へスプレーされないので, 空中への飛散量が多い。 市販されている吹付用ノズルの中空円錐パターンノズルの中子を加工して, 充実円錐パターンノズルに改良する方法を以下に示す。 市販ノズルの中子は斜めの切り込みがあり, 液体に回転を与えて中空円錐パターンになる。そこで, その中子に縦の切り溝を造り, 液体に直進性の運動を与えることにより充実円錐パターンに改良することが出来る。この時の縦溝の幅は1㎜とする。直進性を持たせることにより, 噴霧粒子を大きくし, 運動量を大きくし, 空中の飛散量の低減と, 木材表面の継手などの隙間にも液体(薬液)を有効に到達することが出来る。通常の中子中空円錐型パターン吹付用ノズルの先端の噴出口の中子に縦溝を切り込んで充実円錐パターンに改良幅1㎜の縦溝を切り込んだ中子充実円錐型パターン4444付録:吹付処理法に用いるノズルのスプレーパターン

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