しろありNo.173
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22写真3 ターミメッシュの現場加工(オーストラリア)2)野外試験    イエシロアリは京都大学生存圏研究所 生活・森林圏シミュレーションフィールド(鹿児島県日置市吹上町)にて, ヤマトシロアリは京都大学宇治キャンパス内(京都府宇治市)のヤマトシロアリ生息場所にて, 共に4月から10月までの期間を 1シーズンとした2シーズンを試験期間として実施し, シロアリの十分な活性がある環境においてターミメッシュを使用した試験体がシロアリの侵入を阻止する事を確認した。2)   また上記の屋外試験場では継続して防蟻試験を実施しており, 18年が経過した現在もターミメッシュ取付箇所からのシロアリ侵入は認められず, またメッシュに錆が発生するなどの事象も認められていない。3) (図1),(写真5〜写真8)写真4  紛体のターミパージドライ(手前)と液体のターミパージリキッド(奥)3.1 ターミメッシュ 物理的防蟻バリアを形成するターミメッシュは防蟻薬剤を含まない高耐久ステンレス製金網である。一般的な建材や日用品などで使用されるステンレス材SUS304より錆び難くく耐候性建材としても使われるステンレス材SUS316をベースに更に耐候性を高めた独自配合のステンレス線材を使い, 1mmより小さな目開きで高精度に製織した金網である。シロアリなどの分泌物に侵されず海洋性の気候にも強く, また適度な硬さと柔軟性があるように製織されており, 現場で様々な形状に折り曲げ加工が可能である。ターミメッシュの製品形状は通常ロール状で(写真3), 現場毎に適切な幅のものを用意し, 必要な長さに切って使用する。3.2 ターミパージ ターミメッシュをコンクリートなどの基盤に固着させるための専用接着モルタルで, 紛体と液体を現場で規定の分量で混ぜ合わせて使用する。(写真4)その接着性能と耐久性は温冷繰り返しテストや長期屋外試験で確認されている。通常, メッシュをコンクリートなどに釘で仮留めしてからターミパージをハケで塗布して使用する。3.3 ターミクランプ ターミメッシュを配管周辺に固定させるために使用する締め金具である。全てステンレス製の部品から構成され, 耐久性が高く長期的に緩み難い構造となっている。4.1 日本での防蟻性能確認試験1)室内試験   京都大学生存圏研究所 居住圏劣化生物飼育棟(京都府宇治市)にてイエシロアリの場合はシロアリの活動期間である4月から10月までの期間を最低3ヶ月以上含む6ヶ月間, ヤマトシロアリの場合は同上の期間内の3ヶ月間を試験期間として実施し, 各試験においてシロアリの十分な活性がある環境においてターミメッシュを使用した試験体がシロアリの侵入を阻止する事を確認した。4. ターミメッシュシステムの防蟻性能確認試験 ターミメッシュシステムは内外の公的機関で防蟻性能が確認されている。

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