特徴と合致せず, 様々な昆虫のグループに関係している親虫性のRhabditolaimusや, ケラに寄生しているMehdinemaにより近かった。このことは, 高湿環境で細菌(または栄養液)を食べることによく適応した種であることを示している。この高度な構造特徴は, 線虫の可塑性を示しており, 線虫のキャリアーであるゴミムシダマシの更なる解析によって, 線虫とそのほかの共生体ならではの適応に影響を与えている環境因子を解明できる可能性がある。よる野外実験で, Coptotermes curvignathusに対し, 3段階に希釈した製品濃度(有効成分シペルメトリン濃度0.08・0.16・0.32%, ペルメトリン濃度0.05・0.10・0.20%)に, マレーシアの主要な建材であるケンパス(Koompassia malaccensis)の芯材を3分間浸したものの有効性が確認された。ハザードレベルH2(=地上の屋内の濡れていない条件)での野外試験が行われ, CCA処理済みケンパス芯材とラジアータパイン辺材と比較された。野外試験の前に木材ブロックは, 非浸出揮発(H2)または浸出揮発(H3), そして非侵出非揮発および浸出非揮発の処理を行なった。6ヶ月の暴露試験後, 未処理のケンパスは重度に(シロアリ評価0, 平均質量損失97.4%)または中程度に(同7.7, 17.5%)被害を受けたが, H2およびH3のブロックはほとんど被害をうけなかった(同9.7-10, 無視できるほどの%)。この溶剤は, 従来の殺虫剤よりも著しく低い濃度でC. curvignathusに機能した。ここで用いたマイクロエマルション防蟻剤は, シロアリに対する屋内外の地上における木材保護に効果的である。2727[P15] 木材腐朽菌からのシロアリ誘引物質化合物の検出Detection of Potential Compound from Wood-Decay Fungi for Bio-attractant of Termite Deni Zulfianaら10名(Indonesian Institute of Sciences (LIPI), Indonesia) シロアリのような食材性昆虫を防除するための, 生物誘引物質としての揮発性化合物を有する担子菌類の評価を行なった。シロアリは木材産業においてリグノセルロースを食する重要な経済害虫である。木材腐朽菌である10種類の単子菌を選び(SC, PC, COR, Gano, M3, M4, M7, H2A, TH2, TP), ゴムの木のおがくずとJIS規格の培地を混ぜた容器の中で培養した。単子菌は菌糸が培地の表面全体を覆うまで, 周辺環境温度で14日間培養し, その後, ヘッドスペースサンプリング法によって揮発性物質をディスクに捕集した。モノトラップディスクはヘキサンで洗浄し, これをCoptotermes sp. の職蟻に24時間, 露出した。誘引性を決めるために凝集指数を計算した。また, 化学物質を同定するためにGC-MS分析を行なった。シロアリは, 2時間の観察で, M7, COR, Gano, TH2からの粗抽出揮発成分に優位に誘引された。GC-MS解析から, methyl 2-furoateが誘引行動を誘発する化合物ではないかと示唆された。[P16] 特許取得済みの Patented Biobased Microemulsion-Based Pyrethroid Solutions provide Permanent Wood Protection against Coptotermes termitesDaouia Messaoudiら5名(Adkalis, France) 水性のマイクロエマルジョン(ME-microemulsion)防蟻剤は浸漬処理と真空圧力処理に使用できる特許取得済みの製剤である。マレーシアにおけるUNIMASに[P17] 浸透しやすいマツ(Pinus sylvestris)と 浸透しにくいトウヒ(Picea abies)への エマルジョン防蟻剤の含浸状態のモニタリングMonitoring Uptake and Penetration of Pesticide during Impregnation of an easily Impregnable (Pinus sylvestris) and a Refractory (Picea abies) Wood Species with Bio-Based Emulsion Gel Industrial FormulationsDaouïa Messaoudiら3名(ADKALIS, France) トウヒ(Picea abies)とマツ(Pinus sylvestris)は乾燥状態でも生物による分解を受けやすく, 産業行程では殺虫剤を木材に含浸することによって生物学的劣化を防いでいるが, この含浸行程は複数のパラメータが関与しており複雑で大部分はよくわかっていない。ここでは木材防腐剤の含浸における, 木材のマクロな構造とミクロな構造と, エマルション製剤の物理的特性の関係に焦点を当てる。解剖学的な構造の違いにより, マツはトウヒよりも容易に浸透が起こる。本研究では, 2種類の対象木材に, 3種類の市販製剤を含浸し, 浸透の程度を試験片の厚さごとに評価した。また, 浸漬や表面噴霧や真空含浸といった方法による, 防腐剤の浸透や保持の差異を解析したところ, 真空含浸で迅速に木材に浸透することがわかった。GC/MSによって, 活マイクロエマルションピレスロイド防蟻剤は Coptotermesに対し永久的に木材を保護する
元のページ ../index.html#31