しろありNo.176
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10009110000100520640000-00020-3高中無88は老化特性を損なうことが確認された。防蟻剤Termite Repellent 主成分:塩素化アリルスルホネート主成分:Chloro-o-phenyl phenol亜ヒ酸, フッ化ナトリウム, 重クロム酸カリウム, PCP, ラウリン酸ナトリウムフッ化ナトリウム, ジニトロフェノール, ヒ酸ナトリウム, 重クロム酸カリウム1368Termite Repellent P-22ASPMalenit KBoliden Salt S-25ヒ酸, ヒ酸銅, ヒ酸亜鉛, クロム酸Chloro-o-phenyl 10% hexylene glycol溶液phenolDD/DDT/PCP1:1.5:2100%ChlordaneCu-naphthenate/5:2, 7%重油・灯油等混合物溶液PCP85 % HEOD(有機塩素系化合物)95 % HHDN(有機塩素系化合物)90 % (Dieldrinのエンドエキソ異性体)DieldrinAldrinEndrin シース材としての物性の他, 野外試験地で6年間のシロアリによる食害試験を行った。試料は松材の芯に防蟻剤配合シース材を被覆した棒状の試験片を用いた。結果を表2に示す。これより, いずれの防蟻剤でもシロアリに対して有効であることがわかる。特に, 食害を受けやすいPVCでその効果が顕著であった。 薬剤配合による防蟻ケーブルは薬剤塗布や土壌処理と比較すると, 敷設時の薬剤剥離はなくコスト面でも優れたものであった。しかしながら, やはり環境や人に対する影響は大きく, 電気特性に優れたDieldrin, Aldrin, Endrinといったドリン系の薬剤は1981年に特化物指定, 食害試験でも効果の高かったChlordaneも1986年に特化物指定され, 製造・販売・使用が禁止された。これに伴い, ケーブルメーカは薬剤を用いない防蟻ケーブル開発を迫られ, 種々の検討を行った結果, 高硬度の材料を防食層として被覆したケーブルを開発・実用化した。表1 供試防蟻剤表2  薬剤配合PVCおよびポリクロロプレン(CR)のシロアリ食害試験(6年間)表3 食害への抵抗性3)成分(濃度または混合比)防蟻剤TermiteRepellent1368ASPMalenit KChloro-o-phenylphenolCu-naphthenate/PCPChlordaneDD/DDT/PCPなし抵抗性完全PVC(15試料)貫通食痕10鉄, 銅, 黄銅, 青銅, アルミニウム, アセタール樹脂ポリカーボネートナイロン, HDPE, 硬質PVC, テフロン, ポリエステル鉛, ポリプロピレン, ポリウレタン, 天然ゴム, ABSLDPE, 軟質PVC, 酢酸ブチルセルロース, 合成ゴムCR(10試料)貫通食痕12材料3. 高硬度材料被覆防蟻ケーブル 非薬剤型の防蟻ケーブル開発にあたり, シロアリの殺虫および忌避以外の方法として食害を受けにくい材料の選定やケーブル構造の見直しが行われた。食害への抵抗性に関する材料の分類を表3に示す。これらの材料のうち, 金属については金属テープ巻きや金属管によりケーブルを被覆することはできるが, 腐食防止のため防食層を必要とする。この防食層が食害にさらされると金属層が腐食し防蟻性が損なわれる可能性がある。プラスチックやゴムについては機械特性や電気特性の他, 従来の製造技術で製造できることが求められた。これに対し, ケーブルが製造可能かつシロアリへの抵抗性が高いナイロンを従来のPVCシースの上に被覆した構造が検討された。

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