しろありNo.176
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1010ケーブル導体サイズ 一般[mm2]1層シース9597103108113118124136100150 200 250 325 400500600(a) 1層シース(一般仕様)(b) 2層シース(防蟻仕様)(c) 3層シース(難燃防蟻仕様)図1 トリプレックスケーブル構造表6 トリプレックスケーブルの撚り合わせ外径撚り合わせ外径 [mm]防蟻2層シース991021081131171231281402)河村,八木,高橋,長谷部,中山(1965):ケーブル被覆材料に対する「しろあり」の食害およびその防止法に関する研究(第2報),古河電工時報,38,45-513)(一社)日本電線工業会(1980):技術資料(第9号)「非薬品性防蟻ケーブルについて」,昭和55年12月4)中山,渡井,山中(1980):ナイロンジャケット防蟻ケーブル野外試験の報告,矢崎技術リポート,5,37-425)西澤(1980):高分子の燃焼性と難燃化技術,マテ難燃防蟻3層シース112115121125130136141153リアルライフ学会誌,14,165-1736)(一社)電線総合技術センターホームページ:https://jectec.or.jp7)林田,福島,坂口,村松(2010):難燃防蟻ケーブルシースの開発,平成22年電気学会電力・エネルギー部門大会講演論文集,29・防蟻層の難燃化 高硬度の防蟻層に難燃剤を加えて難燃化する手法も検討されている。前述のように, 難燃剤を加えることにより他の特性が著しく低下するため, 単体で難燃仕様を満足するまで難燃剤を加えることができないため, 難燃PVCとの併用は必要となっている。 難燃ナイロンについては耐寒性が課題となっているため実用化の例は無いようであるが, 難燃PPを防蟻層に用いたケーブルについては, 実用化となっている7)。引用文献1)河村,八木,矢代,高橋,安福,長谷部(1962):ケーブル被覆材料に対する「しろあり」の食害およびその防止法に関する研究,古河電工時報,29,70-865. おわりに 本稿では防蟻ケーブルの開発の歴史について簡略ではあるが紹介させていただいた。現在も開発の潮流は薬剤を使用する手法と高硬度材料を用いる手法の2つであるとの認識であり,ケーブルメーカ各社で検討されているようである。温暖化の影響により,シロアリの活動が活発化していると思われ,防蟻ケーブルの需要は近年堅調に推移している。当社としても,防蟻性能を付与するが故に製造面や敷設面でハンディキャップを負わないケーブルの開発を今後も継続していく所存である。

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