しろありNo.176
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1616と電気的に引き合い密着性を向上させるとともに木材内部へ含浸した後, 架橋し栄養源・薬剤を木材内部に強固に固着させ溶出を防ぐカチオン性樹脂が最適と考えられる。(図3) 低VOC既調合型防腐・防蟻薬剤ジノテクトの防蟻試験結果も同様に常温硬化型のエポキシ樹脂(カチオン)を固着剤にすること, PHを酸性にすること(PH6.3)でシロアリの食害をまったく受けていない。アクリル樹脂(アニオン)を配合した薬剤は, ジノテフラン(PH6.29)が酸性側にあるため薬剤のPHが6.8となりアクリル樹脂エマルションが不安定となり貯蔵安定性試験(室温×1カ月)にてアクリル樹脂が析出し防蟻試験では, 僅かであるがシロアリに食害を受けた痕跡が認められた。使用したネオニコチノイド系防蟻剤ジノテフランは, 非忌避性であるがシロアリの食害を受けず図3 カチオンシーラー利点その伝播性により食害操作開始後9日目でシロアリがほぼ全滅, 平均質量減少率(%)が-0.1%と良好であった。 防蟻剤の忌避性・非忌避性に関わらず水性木材保護塗料・薬剤の設計思想は, 有効と考えられる。(図2)1.優れた電荷安定性 従来型(アニオン型) 例:アクリル樹脂(アニオン) PH 7.842.浸透性・固着力3.高付着性4.水溶性成分移行防止 従来型(アニオン型) 水溶性成分の木材表面への移行木材木材木材木材アニオン系下塗材木材水性カチオンシーラー水性カチオンシーラー上塗塗料水溶性成分従来型アニオン塗料珪藻土薬剤(防蟻剤他)水性カチオンシーラーは、木材に浸透して表面強度を高める。PH4~6で木材から水性溶出成分を抑制する。上塗塗料(アニオン塗料)との密着性に優れる。下塗塗料と上塗塗料の層間からの劣化防止に優れる。カチオンシーラーPH・珪藻土の分散水性カチオンシーラーPH 4~6水性カチオンシーラーカチオン型シーラー木材水性カチオンシーラーは、一般水性下塗材(アニオン型)に比べ電荷安定性が高く、素地との密着性を高める。溶出成分を抑え木材の変形防止効果、防蟻防カビ効果↑劣化防止に優れる。溶出成分を抑えるとともに薬剤を添加することにより防虫・防腐・防カビ性に優れる。5.3 透水率の抑制 塗膜中に珪藻土を分散配合し防蟻性能評価を実施した。 珪藻土は粒子の間に多数の空隙があり, 液体は珪藻土の空隙の中に保持される。またその高い多孔質素材ゆえの吸液量が多い特徴からワクモやシロアリの体に付着させ体内の水分を奪い, 脱水状態にさせ死滅させる安全な害虫駆除剤として利用されているほかビール, 日本酒, ワイン, 清涼飲料水などポリフェノール,

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