■リアロシ■■■■μff量生産素水■■4444図1 ヤマトシロアリの腸から分離した微生物を, 単糖類を添加せずに培養した際に生じる水素量17)(バーは標準誤差を表す)■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■リ後腸破砕物を培養液に加えなかった場合は, 嫌気性雰囲気と好気性雰囲気どちらの条件でも, 水素は検出されなかった。嫌気性雰囲気で96時間に産生された総水素量は1.9(µmol/シロアリ)であり, 好気性雰囲気で96時間に産生された総水素量0.3(µmol/シロアリ)よりも有意に多かった。 嫌気性雰囲気で培養した際の最大水素産生速度は39(nmol/シロアリ/時間)であり, 好気性雰囲気での最大水素産生速度14(nmol/シロアリ/時間)よりも有意に早かった。一方, 生きているヤマトシロアリ職蟻の体外への水素放出速度は99〜101(nmol/g/時間)と報告されている20)。ヤマトシロアリ職蟻の平均体重は1.87(mg/シロアリ)なので21), 1頭の職蟻あたりの水素放出速度は約0.19(nmol/シロアリ/時間)に相当するが, この速度は後腸破砕物による水素産生速度の約1/200〜1/75に過ぎない。下等シロアリの後腸内では, 原生生物の細胞表面に付着共生するスピロヘータやバクテロイデスなど還元的酢酸生成細菌が, 2CO2+4H2→ CH3COOH+2H2Oの反応で酢酸を産生するため水素は速やかに消費されてしまう9)。また, 後腸内に生息するメタン生成細菌が, CO2+4H2→CH4+2H2Oの反応によりメタンを産生する際にも水素は消費される22)。後腸破砕物では, シロアリの後腸内でみられる原生生物と細菌による共生的相互関係が破壊されているため, 還元的酢酸生成細菌やメタン生成細菌による水素消費が急激に減少し, 結果として後腸破砕物での水素産生速度が著しく増大したものと推測される。なお, 本研究 ■■■■■で用いたA-07アネロパック・ケンキ5%による酸素濃度0.0%の嫌気性雰囲気では, 培養容器が二酸化炭素雰囲気に保たれるため, 還元的酢酸生成細菌やメタン生成細菌による酢酸やメタン合成反応における反応物の1つである二酸化炭素は培養容液を入れた2mLチューブのヘッドスペースには十分に供給されている。本研究で用いた静置培養では培養液に二酸化炭素が迅速に溶解しないので, 振とう培養で二酸化炭素の培養液中への溶解効率を改善すれば, 後腸破砕物中に生存する還元的酢酸生成細菌による酢酸合成反応やメタン生成細菌によるメタン合成反応が促進され, 結果として後腸破砕物による水素産生速度が低下する可能性も考えられる。 上述したようにシロアリは水素だけでなくメタンも放出し3-4), またシロアリ後腸内には二酸化炭素と水素からメタンを合成するメタン生成細菌が共生していことが知られている22)。しかしながら, 本研究でのヤマトシロアリ後腸破砕物の培養では, 嫌気性雰囲気と好気性雰囲気いずれの条件でも96時間の培養期間中にメタンは検出されなかった。ヤマトシロアリ職蟻によるメタンと水素の放出速度にはコロニー間でばらつきがあり, 4コロニーの内3コロニーの職蟻からはメタンが108〜331(nmol/g/時間)の速度で放出されたが, 残りの1コロニーの職蟻からはメタンが放出されなかったと報告されている20)。このようなメタン放出速度の変動原因として, 後腸共生原生生物に付着共生するメタン生成細菌の影響が考えられる。本研究で使用したヤ培養時間ff■■腸あり(嫌気)■腸なし(嫌気)■腸あり(好気)■腸なし(好気)■■■■■■
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