木材研究・資料, 34, 22-29.２）岩田隆太郎・児玉純一 (2007): シロアリによる樹木の被害, 環動昆, 18(2), 55-66.３）Yashiro, Y., Takematsu, Y., Ogawa, N., Matsuura, K. (2019): Taxonomic assessment of the termite genus Neotermes (Isoptera: Kalotermitidae) in the Ryukyu-Taiwan Island arc, with description of a new species. Zootaxa 4604, 549-561.４）Sugio, K., Miyaguni, Y. (2017): Distributional range of a dry-wood termite, Neotermes koshunensis (Shiraki) (Isoptera, Kalotermitidae), and its relationship with soil type on Okinawa-Jima Island. Jpn. J. Environ. Entomol. Zool., 28, 169-172.５）Sugio, K., Miyaguni, Y., Yoshimura, T. (2018): Damage and ecological characteristics of termite Neotermes koshunensis on Taiwan cherry tree Cerasus campanulata in Okinawa Island. J. Asia-Pac. Entomol., 21, 1424-1429. ６ ）Sugio, K., Miyaguni, Y., Yoshimura, T. (2020): Colony structure and caste distribution in living trees of the Ryukyu drywood termite, Neotermes sugioi (Blattodea: Kalotermitidae) in Okinawa Island. Journal of Asia-Pacific Entomology, 23, 853-862.2121４. おわりに 沖縄島におけるシロアリ加害調査の結果, カンヒザクラの7.1％の個体がスギオシロアリによる被害を受けており, その割合は, イエシロアリによる被害（0.9％）よりも多い事が明らかになった。これらの結果は, 本種が生きた樹木に営巣して加害を行っている事を示唆している。しかし, 他の報告では, 本種の営巣部は目視によって比較的容易に発見でき, 検出が困難な小さな巣も枯れ枝を剪定する事によって除去する事ができるため, 定期的な樹木管理によって樹木の維持は十分に可能である事が示されている６）。そのため, 本種の害虫としての経済的影響については, 本種が加害する樹種についての追加調査や, 樹種別の被害状況の比較研究等の結果を積み重ねて注意深く判断する必要がある。 最後に, 本種の研究に際しては, 吉村剛先生に多くのご支援を賜りました。ここに感謝の意を表すると共に, 心よりご冥福をお祈り申し上げます。引用文献１）角田邦夫 (1998): 地球生態系とシロアリ・木材保存,
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