情報Termite Journal 2023.1 No.17925写真1 FAOPMA KYOTO 2022会場(国立京都国際会館)写真2 第1講演者のDon Ewart博士11月6日(日)~8日(火)に国立京都国際会館において261名, オンライン参加が200名以上, 当日参加が100名以1. はじめに FAOPMA-Pest Summit 2022京都大会が, 令和4年開催された(写真1)。32ヶ国からFAOPMA (Federation of Asian and Oceania Pest Managers Associations)に関連するメンバーが参加され, 海外から443名, 国内から上と, 合計で1000名を超える参加者があった。基調講演に始まり, 共通セッション(4件), ゴキブリ/トコジラミ防除(3件), 木材害虫(3件), ビジネス/リーダーシップ/資源(3件), IPM/革新的手法(3件), 媒介生物/ペストマネジメント(5件), 害虫アリ/防鳥対策(5件), 食品安全・医薬品製造基準(3件), ビジネス/ソーシャルメディア/デジタル戦略(3件)に関する講演があった。これらの講演に加え, 「ペストマネジメントに関する気候変動の影響」を主題としたシンポジウムならびにスポンサー講演(7件)が行われた。著者は, 木材害虫セッションで講演する機会があったので, 他の2演題とともに概要を紹介する。また講演会場付近に出展されていた2社の展示ブースを訪問したので, 簡単に紹介したい。2. 木材害虫セッション 木材害虫セッションでは, 著者を含め3件の講演があった。要旨集と講演内容に沿って紹介する。・ The Science and Business of Termite Management(Dr. Don Ewart, The Institute of Pest Risk Management, オーストラリア)(写真2) 科学は害虫管理者にシロアリに関する多くの情報を提供する。行動と制御方法に関する知識と説明が増加している。この講演では, 害虫であるミゾガシラシロアリ科に焦点を当て, 科学の進歩とビジネス開発, トレンド, およびそれらから生まれるチャンスの影響について概要を述べる。研究は, 業界を変える新しい製品やツールを提供する。新しい殺虫剤は巨大な農業害虫市場向けに製造され, これら新規な分子の中には殺シロアリ剤やベイト剤の毒餌として製剤化されるものも存在する。また, 研究は既存の製品を改善する。新築の場合, シロアリ管理システムは何十年にもわたって蟻害リスクを軽減し, またベイトシステムが改良され新たな能力を獲得するようになる。一部の企業では, この知識と新製品を早期に採用することで, 市場シェアが増加し利益が確保される。しかしながら, 研究室での発明の市場への移行は常にスムーズであるとは限近畿大学農学部 板倉修司InformationFAOPMA-Pest Summit 2022 京都大会に参加して
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