しろありNo.179
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引用文献1 )公益社団法人日本しろあり対策協会編(2021),“シロアリ及び腐朽防除施工の基礎知識 新版 第5刷”.2 )森本桂(2000):第1章シロアリ,“シロアリと防除対策”,㈳日本しろあり対策協会編,pp. 1-126.3 )竹松葉子(2006):日本産シロアリ類の分類の現状,家屋害虫,28, 29-35.4 )Morimoto (1968):Termites of the genus Reticulitermes of Japan and Taiwan, Bull. Gov. Forest Exp. Sta., 217, 43-73. 5 )Takematsu Y. & Yamaoka R.(1999):Cuticular hydrocarbons of Reticulitermes (Isoptera: Rhinotermitidae) in Japan and neighboring countries as chemotaxonomic characters, Appl. Ent. Zool., 34, 179-188. 6 )Takematsu Y. (1999):The genus Reticulitermes (Isoptera: Rhinotermitidae) in Japan, with description of a new species, Ent. Sci., 2, 231-243. 7 )Kitade, O & Hayashi, Y.(2002):Localized distribution of an alien termite Reticulitermes kanmonensis (Isoptera: Rhinotermitidae), Ent. Sci., 5, 197-201.8 )森本桂(2012): シロアリ目,“原色図鑑外来害虫と移入天敵”梅谷献二編著,全国農村協会刊,pp. 266-2679 )田中勇史(2019):アメリカカンザイシロアリとニシインドカンザイシロアリの混在被害,Agreeable, (50), 14-15.10 )Yashiro T., Takematsu Y., Ogawa N. & Matsuura K. (2019):Taxonomic assessment of the termite genus Neotermes (Isoptera: Kalotermitidae) in the Ryukyu-Taiwan Island arc, with description of a new species, Zootaxa, 4604, 549-561.11 )矢代敏久(2020):「スギオシロアリ」について,しろあり,174, 1-6.12 )Buczkowski G. & Bertelsmeier C. (2017):Invasive termites in a changing climate: A global perspective, Ecol. Evol., 7, 974-985.Termite Journal 2023.1 No.179 3737写真5 簡易な顕微鏡(左)とスマートフォンでの観察像(右)(写真5), 野外調査地で種を同定することができた(注:調査地域に他の南方系の種がいないことを前提koshunensis)と同定されていたシロアリは, 別種「スとした簡易の同定である)。ヤマトシロアリの被害現場は全国各地にあるので, いつもと違う雰囲気を感じた際には前胸背板を観察してみるのも面白いかもしれない。4. おわりに 物流に伴う人為的な移動で, 乾材シロアリの仲間でニシインドカンザイシロアリによる被害が国内で報告されている8, 9)。また, 遺伝子を用いた分子系統解析により, かつて国内でコウシュンシロアリ(Neotermes ギオシロアリ(Neotermes sugioi)」であることが明らかとなった10, 11)。地球温暖化に伴いシロアリの分布も変化していくことが予測されており12), 日本国内でも様々なシロアリ種による被害が生じうる未来は否定できない。本誌の読者の多くは本稿で解説したテキスト1)がお手元にあると思う。テキストには本稿で紹介した以外にも現在国内で確認されるシロアリ種のうち特に家屋害虫として注意すべき種の形態的特徴が図解されているので, 気になるシロアリが居た場合には, 当てはまる特徴が無いかを観察するのに是非役立てて頂きたい。

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