ご挨拶
本会は木造建築物のシロアリ被害および腐朽を防止する目的で、国土交通大臣の許可を得て結成された50余年の歴史を持つ法人です。平成25年1月4日には、内閣府の認定の下、公益社団法人に移行いたしました。
本会の目的は、建築物や工作物等をシロアリと木材腐朽菌による被害から守ることによって長期の耐久性と安全性を確保し、あわせて木材資源の有効利用で国民生活の向上と地球環境保全に寄与することにあります。
この目的を達成するために、シロアリ防除講習会を実施し、防除施工士の検定・登録を行っています。また、シロアリ防除および防腐に欠かせない薬剤等の認定登録やシロアリ防除の工法及び材料等の登録もすすめ、関連の仕様書を整備しています。さらに、建築物の維持管理を確実に行えるようにするため、蟻害・腐朽検査講習会を実施し、検査員の養成と登録を行っています。この他、消費者対応事業や文化財等蟻害腐朽調査事業など、消費者の皆様や国民の財産保全のための事業も展開しています。
これらの事業を進めるためには、シロアリや木材腐朽菌の生態、薬剤、建築、防除施工などの専門的かつ経験的な知識が必要・不可欠です。そのため、北海道から沖縄まで8連携団体のご協力をお願いするとともに、住宅・薬剤・木材・木質材料等、それぞれのメーカー、あるいはそれぞれの専門分野の先生方のご協力も頂いております。
シロアリの被害や腐朽を防ぐことによって木造建築物を高耐久化・長寿命化することは、炭素を長期間固定・貯蔵することにつながります。地球温暖化を防止するだけでなく、木質資源の温存、持続可能な社会の構築に貢献し、「森林の理想循環系」を確立することになります。
本会は、消費者の皆様や行政、関連業界に向けてシロアリ・腐朽の防除および被害についての啓発・普及活動を行うと同時に、良質で耐久性の高い建築物のストック形成のためシロアリと腐朽の防除技術・工法を開発・発展させ、また、既存建築物の維持管理に必要な診断技術を持つ技術者の育成など、社会の要請に応える諸事業を展開してまいります。
皆様のご指導ご鞭撻をお願いするとともに、なお一層のご協力を賜わりますようお願いいたします。
事業活動
会員制度
建築物のシロアリ及び木材腐朽菌による被害の調査、予防または駆除を適正かつ安全に行い、
消費者に信頼され、公共の福祉に寄与することを目的としています。
防除薬剤等の認定
防除薬剤の認定は、昭和36年から実施しています。現在、本協会に防除技術委員会および薬剤等認定委員会を設け、防除処理に使用する薬剤について、効力・安全性等を審査の上、予防駆除剤、土壌処理剤等、用途別に優良薬剤の認定を行っています。防蟻材料ならびに防蟻工法の審査、登録も行っています。
シロアリ防除の標準化
現在の技術水準での標準仕様として新築および既存住宅でシロアリ防除施工を行う際の標準仕様書を定めています。
また、仕様書に準じて施工を行う際の作業要領や薬剤等の管理について安全基準を制定し、居住者・施工者ならびに動植物や環境に配慮した適正な安全施工を推進しています。
しろあり防除施工士
制度
シロアリの防除施工を行う技術者の資格制度として、「しろあり防除施工士」制度を昭和39年に創設し、防除施工に必要な知識を研鑽し、防除施工の確実性と安全性を確保しています。
蟻害・腐朽検査制度
ストック活用型の社会を成立させ維持していくためには、既存住宅の劣化の点検・診断技術が重要な鍵を握っています。蟻害・腐朽検査制度は既存住宅の劣化を適正に検査診断する制度として社会的な要請に応えています。
その他の事業活動
組織図
設置委員会
委員会の主な活動内容
防除施工・環境安全委員会
防除施工や保証問題に関する協議、「安全管理基準」の改訂、防除施工業の指導啓発、安全対策
しろあり防除施工士資格・講習委員会
しろあり防除施工士にかかわる資格検定や講習会の実施および講習テキストの作成・改訂
広報委員会
機関誌「しろあり」や情報誌「agreeable」及び関係図書等の編集・発行、広報・普及活動の企画立案やホームページの管理運営
防除技術委員会
「防除施工標準仕様書」の作成や改訂、防蟻材料の審査登録、防除薬剤の適正使用に関すること
薬剤等認定委員会
防除薬剤の認定登録、防除薬剤の調査研究
蟻害・腐朽検査制度委員会
既存住宅の蟻害・腐朽検査の実施や文化財等蟻害・腐朽調査事業、住宅性能評価機関等、諸団体との連絡調整
蟻害・腐朽検査士資格・講習委員会
蟻害・腐朽検査士にかかわる資格検定や講習会の実施および講習テキストの作成・改訂
消費者対応委員会
消費者からの相談、情報の収集、消費者に対する啓発に関すること