研究開発事業の紹介
本会は、建設省(現・国土交通省)、住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)、住宅・都市整備公団(現・独立行政法人都市再生機構)の協力のもとに、シロアリの生態と防蟻処理について、次の研究開発を行いました。
耐蟻性樹種の表面蟻道構築試験
ヒノキ・ヒバ等の耐蟻性のある樹種の心材若しくは心持材を住宅の床組・軸組に使用するときに防蟻処理が必要か否かについての試験です。野外試験は八丈島野外試験場とハワイ大学野外試験場、室内試験は京都大学と琉球大学で1995年に開始しました。
ハワイ大学と琉球大学の試験の結果、耐蟻性木材の心材・辺材の何れの表面にシロアリは蟻道を構築し、更に、心持材については木材自体を加害することが実証された。この試験の結果から、ヒノキ・ヒバ等の耐蟻性のある樹種の心材若しくは心持材を用いる場合でも、防蟻対策が必要である事が確認されています。
ベタ基礎コンクリート貫通試験
1995年に、厚さ10cmの一体打ち鉄筋コンクリートのベタ基礎をシロアリが穿孔し、貫通するかどうかを確認する目的で、野外試験と室内試験を開始しました。野外試験は八丈島野外試験場とハワイ大学野外試験場、室内試験は京都大学と琉球大学で行いました。その結果、クラックなどの欠陥がない場合、シロアリは10年後まで貫通しませんでした。
薬剤のシロアリに対する持続効果試験
本会が認定している薬剤のシロアリに対する持続効果について、八丈島野外試験場で効力追跡試験を行いました。シロアリ防除薬剤の認定登録申請のための野外試験は2年間の試験成績が必要で、その試験成績が基準に適合したものを認定しています。なお、本会の仕様書では、「五年を目途に再処理を行う」となっています。